距離について

uiui2005-09-13



昨日は、長さについて深いお話をさせていただきました。
今日は、距離について難しい話をしてみたいと思います。



(問題)
家から学校まで3㎞ある。家から毎分250mの速さで自転車で学校に向かったが、途中でパンクしてしまったため、歩いて残りの距離を進んだ。歩きの速度は毎分100mであった。学校に着いたのは家を出て、18分後であった。自転車に乗っていた時間を求めよ。









(回答)
気の毒で考えられない。


これから行く学校が魅力的な場所であってでもですね、パンクした自転車を押して歩くのがどんなに大変か経験した方ならお分かりでしょう。
あのタイヤのゴムのへちょへちょした音。
思い切り道との摩擦を感じるハンドル。
始まってしまった授業のことも考える。もしかしたら、試験の日だったかもしれない。
がんばって乗ってしまおうと思って試してみるけど、何mも乗っちゃいられない乗り物に化している。
学校までの距離に打ちひしがれる事でしょう。




近くにあったスーパーがなくなって、毎回西友花小金井店に行かなくちゃならなくなったら・・・
西友までは、自転車で6〜7分だけど、多分夕食のメニューに影響が出るでしょう。


物理的距離って、心理的にも大きな影響を与えるんですね。
特に実感できない距離は、実際よりも遠く感じることが多いみたい。
ある程度融通のきく心理的距離より、物理的距離は頑固で絶対的なヤツです。
そういう例をたくさん見てきたような気がします。
だけど東京(あるいは日本)にいると、あまり「距離」を感じる事がなく、遠さは「時間」で測られることが多いのかもしれません。
久しぶりに物理的距離を前にしたりすると、ちょっととまどったりするかもしれません。
(外国にいったりすると、体験しますよねー)


距離が長すぎて見えないものは「ない」ことにしてしまうこともできるし、届かないものは心の中で過大に虚飾してしまうこともあるだろうし。


だけど、心理的距離がぐんと短くなることもあるんだろうし、届くようにちょっと自分をがんばったりもするんだろうし。


物理的距離を心理的距離がふわりと包んでくれる時がきたりするんでしょう。
久しぶりに距離を受け止めてみようと思います。



あ、「自転車に8分乗っていた」と回答された方も正解です。