メルボルン、アデレードそしてカンガルー島〜アデレード編〜(3of4)

uiui2016-05-05

貧乏旅行なのに、内容は宝の山のような8日間でした。
ガイドブックやウェブにも情報が少ないようなので、ここにメモしておきます。
内容が多いので、4つに分けます。
メルボルン編」
ソブリンヒル編」
アデレード編」
「カンガルー島編」
ただし2016年5月の情報なので、ご了承くださいね。

では、 アデレード編」です。


(項目)
1.空港から市内へ
2.市内から空港へ
3.ケープジャービス港(カンガルー島へのフェリー)から市内のセントラルバスセンター
4.買い物




1.空港から市内へ
空港を背に、一番左側にあるバス停(タクシー乗り場付近)が市内行きのバス停。


バス停にあるチケット販売機でAU$5.20のチケットを買う。


バスに乗ったら、黄色いバスチケット検札機に通す。(チケットの黒い線を手前にして入れる)


アナウンスはないので、自分が降りるバス停近くになったら、ブザーを鳴らす。
バス停「B2」が終点で、デパートTARGET前。



2.市内から空港へ
同じ通りにもバス停がいくつかあるけど、空港行きは1.で降りたバス停が始発のバス停になる。


B2のバス停からの景色。右手奥はアデレード大学。


券売機はないので、直接運転手さんから買う。
「J1」か「J3」に乗る。他はだめ。
これがバス停にあった時刻表




3.ケープジャービス港(カンガルー島へのフェリー)から市内のセントラルバスセンター
カンガルー島に行く時、または戻ってきたときにシーリンクでフェリーと同時に手配したバスが終点となるのがこのバスセンター。
1.と2.のバス停まで歩いて15分位。
途中に中央郵便局がある。
魔女の宅急便」に出てくるシーンの参考になった建物だとか。

それにしても教会が多いなあ。






4.買い物
上記B2のバス停から反対側の歩道に渡ると、商店街的な通りがある。
そこにCOLESあり。19時過ぎに営業していてくれて助かった。


メルボルン、アデレードそしてカンガルー島〜ソブリンヒル編〜(2of4)

uiui2016-05-04

貧乏旅行なのに、内容は宝の山のような8日間でした。
ガイドブックやウェブにも情報が少ないようなので、ここにメモしておきます。
内容が多いので、4つに分けます。
メルボルン編」
ソブリンヒル編」
アデレード編」
「カンガルー島編」
ただし2016年5月の情報なので、ご了承くださいね。

では、 ソブリンヒル」です。



(項目)
1.電車の乗り方(サザンクロス駅→バララット駅)
2.バララット駅からのソブリンヒル行きのバス
3.ソブリンヒル
4.バララット駅周辺



1.電車の乗り方(サザンクロス駅→バララット駅)
サザンクロス駅から電車に乗る。
窓口でチケットを買うかmykiで改札を通って、3Aのホームへ。

ホームに行くと、曜日毎のタイムテーブルがあった。
行き


帰り

電子掲示板に各電車の行き先と時刻、出発ホームが表示されている。
1つのホームの手前と奥で5Aと5Bのようにホーム番号が違うので注意。

始発駅なので、乗車時間近くにならないとドアが開かず、乗車できない。
行きだけ、切符の確認で車掌さんが車内をまわってた。
車内には次の駅を示す電光表示があり、降りる駅に着いたら、ドア隣にあるボタンを押してドアを開け、下車。

タイムテーブルや料金をチェックできるサイト
https://www.vline.com.au/




2.バララット駅からのソブリンヒル行きのバス
ソブリンヒルと連携して運行しているバスもある。
https://www.vline.com.au/escape-with-v-line/preview-event-destination-details?id=9

私は早く到着して、早めに戻りたかったのでこのバスは使わず。
普通の路線バスで行ったのだけど、これが本数が少なーい。乗れてほんとに運が良かった。
駅を出て、大通りを左手(踏み切りでない方)に10mほど行ったところにバス停がある。
ソブリンヒル行き循環バス ルート9(日曜日でなかったら、ルート8も使えたのかも)


循環なので、ソブリンヒルで降りたバス停で帰りも乗る。

本数が少ないので、帰りの時刻もチェックしておくとよいね。




3.ソブリンヒル

1850年頃のゴールドラッシュで沸いた街を残し、当時の街を再現しているテーマパーク。
1日券大人一人AU$54.00。
園内は広くて、あまりトイレがないから、チケット買う前にゲート建物で行っておいた方が吉。
売り場にも1850年代の衣装を身にまとった女性が歩きまわり、来場者の気分を盛り上げてる。
2daysチケットもあるので、どちらにするか聞かれるよ。
またいろんな言語のリーフレットがあるので、どこから来たかも尋ねられる。


砂金採りにも挑戦できる。


砂金採りの周辺には一攫千金を狙って遠くからやってきた者たちの小屋やテントがある。

砂金を向上に送り込む巨大な装置も実際に動いていて圧巻。


街には当時の衣装を身に付けたスタッフが「住んで」いて、お店たちはちゃんと営業している。
商品を買うこともできるよ。


また、鍛冶屋や金の鋳造などの実演もあり、自分もタイムスリップしてその街の住人になった気分に。
イベントもたくさん。ガイド付きのツアー「ゴールデン・トレジャーズ」も。



警官によるマスケット銃の説明と実演では、最後にバンッ!



鍛冶屋の実演に感動。


飴屋


ロウソク屋


グローサリーショップ


時計や


帽子や


ホテルの中にいたのは人形ではなく、人間で驚いた。


消防団の奥の黒板にはミーティング予定が書かれていて、日付が1958年になってる。
なかなか細かい。


レストランやバーも営業中。


「ニューヨーク・ベーカリー」ではまず席に案内され、メニューが渡される。


頼むものが決まったら、カウンターに行ってオーダーと会計を先に済ませる。
後は席で待っていれば、持ってきてくれる。
ホットチョコレートが美味しかったなあ。


郵便局からはソブリンヒルの消印でポストカードが送れたり、新聞社では自分が載っている新聞を作ってくれるみたい。
盛りだくさんなので、最低2時間位は必要かな。
ボウリング場まである。


お店をのぞいても、店員があれこれ商品を勧めてくることがないので、更に「日常の買い物」気分になれるかも!?


http://www.sovereignhill.com.au/visit/getting-here/




4.バララット駅周辺
ソブリンヒルに行くにはこの駅で下車するのだけど、こんなに賑やかや街だと思わなかった。
飲食店もわりとある。

バララット駅


この駅の扉がなんと自動ドア。


観光用機関車?


アートや歴史的なポイントの地図も。


思いのほか、観光の街だった。


こんな観光バスも。



メルボルン、アデレードそしてカンガルー島〜メルボルン編〜(1of4)

uiui2016-05-03

貧乏旅行なのに、内容は宝の山のような8日間でした。
ガイドブックやウェブにも情報が少ないようなので、ここにメモしておきます。
内容が多いので、4つに分けます。
メルボルン編」
ソブリンヒル編」
アデレード編」
「カンガルー島編」
ただし2016年5月の情報なので、ご了承くださいね。


では、メルボルン編」です。
メルボルン市内では2ブロック程トラムに乗ったけど、他は全て徒歩でまわってます。
2km四方ほどの地域だから。


(項目)
1.空港から市内への交通
2.コインロッカー
3.PASMOみたいなmykiカード
4.トラム
5.電車
6.レンタル自転車
7.買い物
8.食事
9.旧メルボルン監獄
10.ビクトリア州立図書館
11.全豪オープンテニスコートエリア(Rod Laverアリーナ等)
12.MCG(メルボルン クリケット グランド)
13.キャプテンクックの家
14.ユーレカスカイデッキ88
15.ロイヤルアーケード
16.ブロックアーケード
17.ヴィクトリアマーケット
18.エティハドスタジアム
19.プリンセスシアター
20.近代建築





1.空港から市内への交通
カイバスで。路線バスとリムジンバスの中間的な感じ。
路線バスについて尋ねても「ルートがないからスカイバスで行った方がいい」と言われた。
営業時間は、往路復路とも6:00〜23:50。


メルボルン/タラマリン空港から市内へ)

空港を出てすぐ赤いバス停まっているのが目に入る。

終点:サザンクロス駅(駅ビル内バスターミナル)
所要時間:20〜30分
料金:AU$19.00(mykiは利用不可)
チケット購入:バス停前にあるバスチケット購入窓口で



(市内からメルボルン/タラマリン空港へ)
サザンクロス駅ビル内バスターミナルから出発。
駅ビル沿いの歩道にこんな表示があり、そこから建物に入るとターミナルになっている。駅の北寄りになる。

チケット購入:19時までは他業者と並ぶ窓口があり、そこで購入。19時を過ぎるどその窓口は閉まり、バス乗り場すぐそばの窓口が開くので、そこで購入。

乗車場:ターミナル入口を背中にして、左端。
降車場:空港では2か所停まるけど、そんなに離れていない。多くの人はターミナル3でOK。(もうひとつはターミナル1。ターミナル2、4という降車場はない)



2.コインロッカー

サザンクロス駅構内にある。
更に、上記バスターミナル内にたくさんある。大型のスーツケースも入った。
料金:「2時間?」「24時間」「1週間」という大雑把な時間単位でしか選べない。私が選んだ24時間はAU$15.00。お札も利用可。
使い方:
(1)荷物を入れる前に受付画面で「荷物を入れる」を選択し、利用時間を選ぶ。
(2)空いているコインロッカー番号が表示されるので、好きな番号を選ぶ。
(3)選んだ場所へ荷物を入れて扉を閉める。
(4)お金を払う。
(5)預かり証が出てくる *ここに記載されたPINコードは荷物の受け取りに必要なので絶対になくさないこと!
   
(6)受付画面で「荷物を出す」を選択し、ロッカー番号と預かり証に記載されたPINコードを入力する。
(7)荷物を出す。  



3.PASMOみたいなmykiカード

必要に応じてチャージすれば、TOUCH&GOでバス、電車、トラムに乗れて便利。
大きい駅や空港のスカイバスチケット売り場、コンビニ等で売ってる。チャージもそこでできる。(駅にはチャージ専用機あり)
短期間の旅行客は「myki for visitor」を購入。AU$14.00。
お金が残っていても、払い戻しはできない。
購入すると、いろんな観光地やヴィクトリアマーケットの割引クーポンがついてくる。




4.トラム

約2km四方の市内は無料で乗れる。
無料で乗れる範囲の停留所に「Free zone」の表示がある。
Freeでない区間に乗る場合は、乗降口付近にある黄色のmyki機に乗るときにタッチする。




5.電車

サザンクロス駅では改札手前と奥とでホーム番号が異なる(6Aと6B)ので、乗り場案内を見るときは注意。

バララット行きの電車に乗った時は、車内に次の停車駅表示が出ていた。
降りる駅で、乗降口付近のボタンを押すとドアが開く。
mykiがあれば、改札に入る時と出るときにmyki機にタッチすればOK。




6.レンタル自転車

使っていないけど、サザンクロス駅にあるみたい。
レンタルヘルメットの自動貸出機も。




7.買い物
コンビニやスーパーはかなりある。
サザンクロス駅ビルにCOLES、セントラル駅地下の駅改札付近にWOOLWORTH、他にQVなど。
サザンクロス駅北側2階もショッピングモールになっていて、フードコートもあり。




8.食事
あらゆる種類のレストラン、ファストフードショップ多数。
回転寿司も。
ケバブが美味しくて感激。長さ23cm直径8cmのボリュームたっぷりでAU$6.00。





9.旧メルボルン監獄
1960年代まで実際に使用され、135名の絞首刑が行われた監獄を見学できる施設。

日本語の案内リーフレットもある。




看守(ニセモノ)による案内ツアーは1日数回行われ、入場料に含まれている。
ゴールドラッシュで急激に人口が増え、しかも統治するのはシドニーなど離れた都市だったので、無法地帯になってしまったんだね。犯罪の歴史はメルボルンの歴史の一部なのかも。
ヒーローでもあるネッド・ケリーもここで死刑になった。
絞首刑や拷問の説明や受刑者のデスマスクもある。
また学校教育用に裁判の体験プログラムも。
夜にはお化け屋敷的なナイトツアー(別料金、要予約)が開催されている。多分、土曜日のみ。

チケット:売店(元守衛室)で購入
料金:AU$25.00
http://www.oldmelbournegaol.com.au/




10.ビクトリア州立図書館

テーブルの配列が放射線状になっていて、美しい。

また書籍の歴史やメルボルンの歴史をまとめた博物館が併設されており、無料で閲覧できる。
ダーウィンシェイクスピアが当時書いた本も。

各国の「不思議の国のアリス」はお国柄がでていて、おもしろい。
Free Wifiあり。



ドラム叩いてる人もいた。

http://www.slv.vic.gov.au/




11.全豪オープンテニスコートエリア(Rod Laverアリーナ等)

1日に数回visitor用の案内ツアーがあり、ロッカールームやプレスルーム、関係者専用ラウンジなど普段入れない場所を見学できる。
予約なしで大丈夫だった。
プレスルーム(リーフレットより)
インタビュー席に座ってみることもできるよ。


すごい選手になると、ロッカーが決まるらしく、写真が貼られていた。
錦織選手のロッカー


いくつかのコートもまわり、床を外して他のスポーツの試合やコンサートにも利用するのだとか。
ブライアン・アダムスやマドンナも来たんだって。
敷地内には名プレーヤーの胸像が置かれている。
売店の品がかっこいい。
テニスネットの柄のタオルや歴代チャンピオンの名が連なっているTシャツなど。
料金:AU$20.00
チケット購入:管理棟のカフェの奥にある土産売店
所要時間:40分
ツアー予定:平日 11:30 13:00 14:30
      週末 11:30 13:00 

管理棟はRod Laver Arena正面入り口の左付近にある。
この画像の右端が入り口とカフェ。

http://www.melbourne-for-the-visitor.com/rod-laver-arena-tour.html




12.MCG(メルボルン クリケット グランド)
クリケットへの愛と情熱を感じる。

私は行ってないけど、ここにもバックヤードに入れるビジター用ツアーがあるらしい。


クリケットチームのトレーニング。

正面そばにある橋を渡ると、フリンダーチェイス駅付近への近道。





13.キャプテンクックの家

イギリスで売りに出されていた家を高額で買い取って、メルボルンに移設したとのこと。
オーストラリア最古の建造物だとか。
イギリスで売り出されていたのを買い取って、ここに移設したらしい。

クックさんは身長191cm。
自給自足が基本で、庭には薬草も植えてある。
ベッドにはスプリングはなく、縄が張ってあって、安眠のためには時々締め直さないと弛むんだって。これが英語の「Sleep tight(ぐっすり寝てね)」の語源になってるのだそう。

キャプテンクックと奥さん(当時の衣装をつけたスタッフ)が迎えてくれる。

庭の一角に貸衣装があって、自由に着て当時にタイプスリップしたような写真撮影ができる。
日本語の案内リーフレットあり。
料金:AU$6.20
チケット購入:家の向かいに売店があるので、そこで購入。
入場:購入したチケットを門扉の機器にかざすと自動ドアが開く。
退場:緑のボタンを押すとドアが開く。
http://www.thatsmelbourne.com.au/PlacesToGo/CooksCottage/Pages/Cookscottage.aspx





14.ユーレカスカイデッキ88
南半球で最も高い公共展望台で300m。
真ん中の一番高いビルがそれ。

タワー途中に貯水タンクを設置し、風で揺れる上部を安定させてるらしい。
フリンダーズチェイス駅からヤラ川を越えて、ビル群に入っていくと到着。

ひー。

こんな合成写真も撮れる(別料金)


料金:AU$20.00
チケット:スカイデッキ専用の入り口から入ると売り場がある
営業:10:00〜22:00
https://www.eurekaskydeck.com.au/japanese/




15.ロイヤルアーケード

あまり期待していなかったのに、かなり感動。
1870年に開業した古き英国の香りのする商店街。

古城の回廊みたい。


チョコレートのヘイグスの店舗も入っていたっけ。



だれ?



シンボルの大時計Gog & Magog。






16.ブロックアーケード

こちらも18世紀にできた。




17.ヴィクトリアマーケット

1878年オープンの市場。1000店舗以上あるとか。
食品、衣料、雑貨、飲食店など種類によってエリアが分かれている。



八百屋エリアの活気はすごいよ。


肉屋もずらり。


魚屋の屑に集まってきたカモメ。


フードツアーもあるみたい。


ナイトマーケットなんて、あったんだ。行きたかったなー。


上の構内図のA SHEDそばのSHOPにフットボールのサポーターグッズの店もある。
地元チームNorth Melbourne(シンボルはカンガルー)。
こんなの買ってみた。
シャツはAU$30.00(女性サイズ)。


マフラー


鍵やさんで自分の鍵のコピーを作ってもらうというもの。
買ったけど、日本の鍵にはコピーできなかったー。残念。
AU$10.00



この画像で分かるように、曜日によって営業時間がかなり異なるので注意。


外壁に18世紀に営業を開始した当時の様子が。




18.エティハドスタジアム

ちょうど地元チームNorth Melbourneの試合の日だったので、近くまで行ってみた。
日本のJリーグを同じようなサポーターの熱気。
サザンクロスそばにあるAFLのために作られたスタジアム。55,000人収容。
クリケットやコンサート等も行われる。
「ビハインド・ザ・シーン」ツアーもあるらしい。
TVで試合を観たら、勝ったみたい。


サザンクロス駅2階のアウトレットモールには、AFL公式グッズを売るお店もあったよ。





19.プリンセスシアター
1854年創業のシアター。ゴールドラッシュの時にできたんだね。





20.近代建築
ここ10年位でぐんと増えたらしい。



それにしても、ただの箱みたいな建築物を軽蔑してるかのような勢い。


おもしろい曲線がはいっているビルだと思って撮ってみたら、顔になってる!



古い英国調の建物と入り混じっているのがおもしろい。
フリンダーチェイス



セントパトリックス大聖堂



サザンクロス駅



さて、ここからは街並みスナップ。


BIG ISSUE」を買ってみた。AU$7.00。



自転車宅配便の「デリバルー」
響きが日本語っぽいね。



よくお財布を拾う方だけど、こんなに大きいのは初めて(笑)



街中にアートが散りばめられている。



メルボルンの空港のゴミ箱も素敵だ。



ペーパーバックの専門店。



ミュージカル「雨に唄えば」をやってるみたい。時間があれば、行ったのにな。



そういえば不思議なポスターがあった。
メルボルンの空港で見かけたこれ。



日本で見かけるこのポスターに登場している子どもと同じ子!?


びっくりしたなあ。

「地球の歩き方」の歩き方

uiui2016-04-09

[rakuten:dorama:11817531:detail]
旅行情報本のシリーズ「地球の歩き方」がどのように生まれ、変化していったか。
それは日本人の旅行がどう変わってきたかという歴史。
経済や文化、生活様式、思考の変化が浮き彫りになる。

海外旅行は、お金と目的を持った人だけが行くものだった。
旅程も決めず、特に目的もない渡航なんてありえなかった。
企業向けに団体旅行を組んで、旅行会社が決めた通りの旅程をこなすスタイルがあっただけ。



そこに「お金も目的もないけど、時間だけはたっぷりある」という学生をターゲットにした「自由旅行」を売り出したダイヤモンドスチューデント友の会(DST)。
この会社の4名が「地球の歩き方」の生みの親。
当初は自分の足で現地で情報を集めていた。
そして、その頃はA6サイズの非売品だったらしい。
お金はなくても情報があれば、海外を旅することができるのだと若者たちの背中を押すためのツールだった。

情報の集め方が変わり、情報は正しいことが求められるようになった現在。
以前は自力で旅をしていた人が多く、「地球の歩き方」の内容を更新していくのも旅人だったのに、今では本の通りに旅をしようとする人が増えてきた。
だから、本と現地が異なっていると「苦情」となってしまうのだとか。


小口青のエピソードは興味深い。
あの青がアピールになって、青を真似した本も持っていた人が海外で「地球の歩き方を持っているから日本人に違いない」と犯罪の標的になったこともあるらしい。



この本を読んで、私の「地球の歩き方」の使い方は正しいのかもとちょっとうれしくなった。
この本の内容をきっかけにして、自分で調べ、情報と知識と想像を膨らませていく。
そこから旅が始まっている。
地球の歩き方」に書かれていなかったことや異なっていたことを発見した時、ちょっとしたうれしさを感じてしまうしね。
地球の歩き方」の地図は良いと思う。
日本語と現地の言葉の両方で表示がされているので、道を尋ねる時も分かりやすい。
拡大コピーして、あれこれ書きこんだものを持っていく習慣になってるよ。

兵士は戦場で何を見たのか

兵士は戦場で何を見たのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-7)

兵士は戦場で何を見たのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-7)

今年2月に発刊されたばかりのノンフィクション。
イラク戦争の前線に赴いた第16連隊第二大隊と行動を共にした著者の記録。
立派な男たちが1年間でどのように壊れていったか。
四肢がもぎ取れた者、頭が削れた者、そして心が崩壊した者。
ドラマチックでスリリングな戦いなどない。これでもか、これでもかと人間の尊厳を削がれる日常が続いていく。
戦場から離れても失った尊厳は戻らない。人間としての自信を失ったまま。
巻末にはこの大隊全員の名前が並び、亡くなった兵士の写真が掲載されている。
彼らは尊いことをしたのか、命をドブに捨てたのか。
著書「帰還兵はなぜ自殺するのか」の前編になる書だそうなので、こちらも是非読んでみたい。

銃・病原菌・鉄 〜1万3000年にわたる人類史の謎〜(下巻)

上巻に引き続き。

どうして、ヨーロッパ人が世界へ出て行って、アフリカやアメリカ、オーストラリアを支配したのか。
逆にアフリカ人がヨーロッパ人を征服することがなかった理由は?


南米人はヨーロッパ人が持ち込んだ疫病に壊滅的にやられたのに、ヨーロッパ人が南米の疫病にやられることがなかったのはなぜか。
水ぼうそうでも命を落として時代なんだよね)


高度な技術や道具が自然に生まれた地域と、他地域から持ち込まれるまで生まれなかった場所がある要因は?
高い技術が取り込まれたのに、その後技術を排除した地域があったとは。
中国も、条件からすれば世界を征服できたかもしれないのにできず、ヨーロッパが成せた理由には驚いた。
コロンブスの大航海は、あちこちにお願いして5回目にしてやっとOKをくれた支配者に出会えたからこそ実現できたんだね。


今こうして使っているPCのキーボード。
キー配列は効率的とはいえないのに、昔のままの配列を変えない。
この理由は、タイプライターの時代に隣接するキーを続けて打つとキーが絡まってしまったから、わざとよく使うキーを(右利きの人には使いづらい)左側のしかも力が弱い指の位置に配置し、タイピングのスピードが上がらないように工夫したものだとか。
技術的にその問題が解決してもなお配列を変えないのは、すでに60年以上この配列に慣れた人が輩出され、「経済を動かして」いるから。
歴史には、そんななにげない理由が大きく影響していることが多いみたい。


言語が生まれても、その集落の人数が少なすぎると技術者を支えたり、文字システムを発達させることができない。
何かが生まれれば、必ず発達するとは限らず、更に拡がる期間には地域それぞれの特徴によって数千年の差が出ることをこんなに分かりやすく示されると唸ってしまう。
1つ1つは私でも「なるほど!」とうなずける難易度だけど、年表でただ右から左へ推移していくだけの歴史の勉強や学問別・地域ごとに専門的に掘り下げても見えない、統合的に必然と偶然の絡み合いをほぐして初めて分かることが盛りだくさん。
「必要は発明の母」と言われるけれど、実際は偶然発明されたものを実用化するのに100年以上かかっていたり、まったく有効に使えなかったりもしていたという視点は、文化や技術が3次元的な絡まりの末に存在したことをとてもよく説明する事実だと思うし、歴史を学ぶ者が後付けの「伝説」(現時点での結果)に誘導されていることも実感させられた。


植物の栽培や動物の家畜化の説明にもすでに得ていた知識たちが結びついたような快感があった。
現在、こんなに動物がいても家畜化できているのはほんの数種類。
大昔からきっとあらゆる動物を家畜化しようと試みた結果がたったこれだけなんだよね。
馬や牛、豚が生息していなかったり、マラリヤなどの疫病で動物がすぐに死んでしまう地域では家畜をもつこと自体が発生しなかったし、外来者が試しても失敗してきた。
しかも成功した新しい生活システムは、ユーラシア大陸の東西にはスムーズに広まったけれど、北アメリカと南アメリカの間では伝わるのに数千年もかかっている。
西東と南北の情報の伝わり方の違いも明瞭でおもしろい。


古代スカンジナビア人がグリーンランドを入植したにも関わらず支配できなかったのは、グリーンランドではヨーロッパの進んだ食料生産や技術や政治システムが使えなかったから。
ヨーロッパの鉄器が北極圏の狩猟採集民の石器や骨器に勝てなかったんだよね。
新しいものもそのタイミングや地域がフィットしなければ、「進化」になれなかった。
「時間の経過=進化」じゃないんだよね。


メソポタミア人が紀元前2000年にはすでに、岩に含まれる天然アスファルトを暖めて何トンもの石油を抽出していたなんて驚いたよ。


こういった本が完成したことにも必然と偶然の絡まりを感じてしまう。
著者が「医学」「自然科学」「進化生理学」「分子生理学」「遺伝子学」「生物地理学」「環境地理学」「考古学」「人類学」「言語学」と幅広い学術に詳しく、そして文章を書くエネルギーを持った人であるという偶然の賜物だね。

偽装された自画像 〜画家はこうして嘘をつく〜

偽装された自画像――画家はこうして嘘をつく

偽装された自画像――画家はこうして嘘をつく

絵画の中で嘘をつかない画家はいない、と。
嘘とは、ヤラセ、ごまかし、粉飾、美化、誇張に歪曲、そして演出。
意識的に行うそれとは別に、写実主義の画家であっても免れられない嘘もあるらしい。
無意識のうちに、偏見や知識や経験が自らの目を晦まし、筆を誘導する。
この本では、ルネサンス時代から20世紀に書かれた20点の自画像について、どんな嘘が潜んでいるのかを解説する。



自画像といっても、カンバスに自分を大きく描いたものもあれば、宗教的テーマの群衆の中に自画像を紛れ込ませている場合もある。


ミケランジェロは、「最後の審判」で大衆の中に皮だけになった人間を描いていて、これがどうも本人の自画像らしい。
あくまでも説で、解釈も色々。


アンギッソーラの自分と師匠を描いた自画像は、絵を見た瞬間の違和感が解説を読むと腑に落ちる。


ルーベンスの「四人の哲学者」は、X線撮影で絵具の層を透かして見ることで、描き直された履歴とその意味を考察。
これによって、描かれた時にすでに亡くなっていたはずの2名の存在の意味も浮かび上がってくる。


ベラスケスの「ラス・メニーナス」では、画中の鏡や視線によるトリック。


日本の僧侶っぽいゴッホの自画像。


ゴーギャンは、レ・ミゼラブルに自分を模す。


他の画家と違い、目立たぬことを好んだスーラはたった一度だけ描いた自画像を塗りつぶしていたことが赤外線スキャンによって判明。
「化粧する若い女」の絵の中に小さな窓があり、そこから花瓶と花が見える。
ところが赤外線スキャンで、花瓶と花の代わりにスーラの顔があったことが分かったらしい。
著者の分析(憶測)では、スーラの性格から判断して、最初から塗りつぶす気で描いたのかもしれないと。
鏡が描かれている絵の画家が、床屋の両親を持っていた(常に鏡が身近にある環境)など、画家自身の人生もにじみ出る。



自画像に隠された嘘や想いを見つけ出すのは、世紀を超えた画家からの謎かけを解き明かすようなスリル。



注文して描かせる絵の中に、依頼者の姿を描き込むのはよくあったらしい。
教会に寄進する絵には、聖人が寄進者を神やキリストに紹介している設定だったりして、「寄進者さんが天国に行ったら、よろしく」というメッセージが込められている。絵画が神社の絵馬みたいな役割もしていたのかと思うと楽しい。



ルネサンスより前は、キリスト教が大変な力を持っていた時代なので、自画像を描くのは悪いことのような認識だったため、一般的にはあまり描かれなかったらしい。